ひとくちたけ

アカマツに付いたヒトクチタケ

  • ヒトクチタケ

サルノコシカケ



数日前から、山の中で奇妙なキノコが目につきだした。大きなものでも径4cmくらいから小指の先ほどの小さなものまで、アカマツの木に疣の様に出ている。見かけはアンパンのような艶と色だが、触ってみると硬い。
よく観察すると、ヒトクチタケが付いているアカマツはどれも息も絶え絶え、枯死寸前の状態。淡い灰緑色の葉が枝の先にしがみついているような木ばかり。葉が緑色の木はもちろんの事、すっかり枯れて茶色に朽ちている木にも付いていない。
見上げると首が痛くなるほどの大木の上の方までびっしり付いているヒトクチタケが、アカマツの最後の生き血?!を吸ってとどめを刺しているように見えてきて、新緑萌え出る四月の山の中でその周りだけ、不気味な空気を感じてしまった。


下から見上げると

午後から空気が生ぬるい。雨が近そうだ。