さるとりいばら(猿捕茨) 林縁の赤い実

サルトリイバラの実

  • サルトリイバラ

ユリ科サルトリイバラ属
山地の明るい林縁に生え、枝にある鉤状のトゲと巻きひげで、低木に絡まるようにのびるつる性低木。雌雄異株。
若芽は食用、根茎は薬用。


落葉樹の葉が殆んど落ちた山では、谷の向こうにサルトリイバラの赤い実が見えている。
近づける所の赤い実は、クリスマスが近いこの時期、形の良いものは消えてしまっている。残骸のトゲ棘の木が放り投げてある。こんなに切らなくても思うのだが。
正月の寄せ植えに使う山ゴケ採取の人も見かける。根こそぎ、ごっそり持って帰るのでこの辺りの山ゴケは今ではほとんど無くなったとか。
入山禁止の柵があるにもかかわらず、幌をかけた一台の軽トラックが行ったり来たりしていた。
自分に必要な量、人間が背負って持ち帰る量には限界がある。昔から里山の恵みを生活に取り入れて暮らした人たちに備わった節度と知恵にならって、この豊かな植生を守れないものだろうか。
九州出身の友人が、端午の節句にはこの葉で包んだ餅を作っていたのに、木が少なくなって近年作れなくなったと淋しがっているのを思い出した。

  • サルトリイバラの青い実 07年6月5日撮影