はなうど(花独活)

ハナウド

  • ハナウド

セリ科
高さ70〜120cmの大形の多年草
本州中部以西、四国、九州の河原に分布する。



実家で、耳の遠くなった母と付き合うのもなかなかくたびれる。降り続いた雨も今日はひと休みか、何日か振りの青空と太陽が嬉しい。子どもの頃よく遊んだ河原に出てみた。
河川改修のおかげと言うべきか、川の氾濫もないらしく、河川敷には緑たっぷりの樹木までが茂り、高くさが一面に生えて、昔の面影は無い。川底も整備されて、豊かな水がとうとうと流れている。


かつては、夏の夕方になると「牛飼い」といって、村の男性は農作業用の飼い牛をこの河原に連れて出て放し、草を食ませた。子どもたちもついて出て、涼しい土手の上で遊んだ。時には、牛が角つき合わせて喧嘩するのも、子どもにとっては正に「高みの見物」だった。
牛に踏まれ、食べられた草は、根っこの方だけが残り、河原は昼間になると子どもたちの恰好の遊び場になった。川底は砂や小石で浅瀬や深みがあり、水遊びや泳ぎには注意が要った。

ダイナミックで繊細な姿のハナウドを見ると懐かしい気分になるのは、その頃も生えていたからだろうと思う。