きくばやまぼくち(菊葉山火口)

キクバヤマボクチ

  • キクバヤマボクチ

キク科


植物観察会に参加した。雲は多いが爽やかなハイキング日和。
暑い夏の名残かセンニンソウが花盛りだったり、その足もとにはイヌタデの群生が秋をいっぱいに感じさせてくれたり。
斜面にキクバヤマボクチが重そうに垂れて咲いていた。
メンバーの一人が手をかけて引き抜こうとした。「ちょっと待った!」「写真撮らせて!」「ゆっくり見させて!」あちこちから声が飛んだ。
見ればその人は既に引き抜いた一本を手にしている。先に到着して手にかけたらしい。
「数の少ないものはとらないで。後で来た人も、明日来る人も見たいから。」と私が言ったら、隣にいた他の人が「自然のものはとらないで。とってもいいのは写真だけ!」と言った。
言われた本人はあまりこたえていないらしく、確保した一本を嬉しそうに高々と抱えていたら、「持って帰るのなら、隠して」と言われてしぶしぶビニール袋に丸めて入れた。
観察会で時折採取する人がいる。どういう気持ちで採るのか私には理解できない。
多くのメンバーの厳しい言葉で、この一本は引き抜かれずに済んだ。
風に揺れながら私達を見送ってくれた。