春のおとずれ ボケ

ボケ

彼岸の墓参りに実家に行った。
実家の方が暖かい土地柄なのか、さまざまな花が咲いていた。
なかでも辺りをほわっと暖かな雰囲気にしているピンクのボケは、十年以上も前に母が「手ごろな株が分けられたから」と我が家の庭木に勧めてくれたが、亭主が「ボケは棘があるからいらない」というので断ったものだ。
ところが、今回庭で真っ先にこのボケに目をつけた亭主が「いい色だ。春らしい。棘もない。」とおお気に入り。
以前の株は、近所の花好きにもらわれて行って、2メートルを越す木になっているらしい。
横に出ている子株も70〜80cmになっていて汽車で持ち帰るにはちょっと手に余りそうだ。
よい時期に挿し木させてもらおうかということにした。

  • ボケ

バラ科
落葉性の低木。
中国から渡ってきたボケと、日本の九州・本州に自生するクサボケがあり、この2種から多くの園芸品種ができている。
冬の寒さが残る時期から、他の花木に先がけて花を咲かせて春の訪れを華やかに知らせてくれることで人気があり、庭木・盆栽などとして親しまれている。
9月ごろに梨状の実をつける。
完熟した実を輪切りにして乾燥させたものを木瓜(もっか)といい、暑気あたりの薬として水に入れて煎じて飲む。
黄色になる前の実をホワイトリカーに漬け込んだ果実酒は滋養強壮に薬効がある。
なお、中国で木瓜と書くのはカリンのことで、ボケは貼梗木瓜(ティエコンムークワ)とよばれる。