南天と竹と元旦の空

南天と竹と元旦の空

午前中、歩いて一時間ほどの神社に初詣。
風は冷たかったが、車は少なく空は青く、空気が澄んでいて気持ちよく歩けた。


30年近く前に、新しくひらけた団地に越してきた。
その年に、伊勢講で伊勢神宮に参った父が、「天照皇大神」の掛け軸とお札を土産に持って来てくれた。日本の神様の総本山みたいなものだから祭っておけというので、神棚を買った。
とりわけ信心深くも無く、神様に手を合わすのは何かの行事の時くらいの父だったが、今にして思えば氏神様の無い暮らしというものをを不憫に思ったのかとも思う。朗らかで何ごとも大づかみに考える父らしいとも思う。


氏神様の無い気楽さで、その年によって気の向いた神社に初詣する。
気合が入った年は電車を乗り継いで有名な所に行く。
近年は形ばかりと言う感じで、近くの神社が多い。
今日の山王神社は、境内で焚き火をしてテントが張られ、氏子の人たちがお神酒と昆布とするめを勧めてくれ、みかんまでもらってしまった。なんだか申し訳ない気分になって、買う気の無かったお守りとおみくじを求めた。
おみくじは大吉だし、ホットな雰囲気だし、運動に丁度良い距離だし、いろいろな木が豊かだし、で、すっかり気分よくなって、ちょこちょこお参りに来ることにしようと決めた。
大木の茂った神社の向かいは、よく手入れされた明るい竹林で、林縁の南天と青空がきれいだった。

  • 風景