なつめ(棗、夏芽)の実

ナツメ

  • ナツメ

クロウメモドキ科ナツメ属
高さ10mほどになる落葉高木。中国北部原産と考えられ、地中海沿岸や中国では実を食用、薬用にするため、古くから重要な木として栽培された。日本でも古くに渡来し、栽培された。
暗赤褐色に熟した実は生食、ドライフルーツ、砂糖漬け、果実酒などにする。また、果実には利尿や強壮の薬効があり、蒸して乾燥したものを漢方で大棗(たいそう)とよぶ。
初夏になって芽を出すので「夏芽」の名がついたといわれる。
薄茶器の「なつめ」は、形がナツメに似ていることから名づけられた。



田の畦に大きなナツメの木が茂って、緑色の実をびっしりつけていた。久しぶりに見て、懐かしかった。
上の方の実は色づきかけている。

子どもの頃近所の庭のナツメの大木が塀から枝を出し、実が熟す頃になると道路にいっぱい落ちていた。
その時期になると、そこの家のおばあさんが勝手口の戸を開けてきれいな実を持たせてくださった。
農家のおばあさんにしては、色白の上品な人だと子ども心に感じていた記憶がある。ところが、ナツメの味の記憶は全くない。
甘い系の果物が好きな連れ合いは、生家の庭にあってよく食べたが、甘くておいしいのだと言う。甘い系が苦手な私は、頂いてもあまり口にしなかったのかもしれない。
熟す頃に通りかかって一粒いただき、記憶を呼び戻してみたい気になっている。